Lesson Transcript

僕は流通を学ぼうと
とりあえず流通を学んで30の時に
絶対独立してやるぞと
なぜそういう風に思ったかって言ったら
やっぱりこの業界もそこに入ったところも物売りだけだったと
でも物売りをしなきゃ生きていけないんだと
じゃあそれも勉強しておこうっていうので
そういう風に思っていないと
そういう業界に入って27の時に独立したんですかね
もともとは着物の流通を学んで
着物の流通で動いてたんですけども
こんなことしててもダメやと
もっと付加価値つけなきゃいけないと
じゃあ富田に付加価値として何ができるかってことを考えたんですね
テレビ見て横にこんな風にしながらテレビ見てたんですけど
その時に最後のエンドロールに
名前が出てくるんですね
衣装担当
松田隆って僕の師匠ですけど
そういう人が出てきたりとか
ヘアメイクとかいう形で出てきて
かっこいいなあこんなところに名前出たら
むちゃくちゃええやんと思って
東京に行ってテレビ局全部回ったんですね
もうそれはもちろん門前払いの何を言うてんやん
こいつ知らんがなこんなところっていうのはそんな形で追い返されて
京都でも撮影所があるのでそこ行って全然良くない
良くないっていうか聞いたことない会社だからそんなところのね衣装使えるわけないって言われて
でも僕自身ももう諦めようと思って
やめようと思ったんですね
もうそういうところはもう本当に世界が違うなと
でもねちょっと面白いことをあれしてね毎日通うようにしたんですよ
あの時代は撮影所ってねおはようございますって言ったらスッと入れるんですよ
だから僕もアシスタントのような顔をしてね
あのガムテープなんて言ったらいいのかな
吊るしておはようございますって言って
そこ入って行って
で衣装部屋行って
でおはようございますって言ったら
みんなスタッフの人やと思うからおはようございますとか言ってね
みんなあれで女優さんとか俳優さんがどんどん入ってきて
そこで鏡の大きな鏡の前で着付けをしだしたね
それ見ててね
よしここで絶対使ってもらえるようになろうって
車には積んでるんですけどね
そういう風にしていたんですよ
でまぁその時に靴をまっすぐに履いて
すぐ走って戻っていかはるんですね
それこそ現場で活動される人って
もう本当にバタバタに
何車でも早々行かんかーって怒られてはる姿見てて
そうだ僕にできることはたった一つこれだって思ったのが
靴を全部ひっくり返すんですよ
そしたらすぐ行けるじゃないですか
じゃあそのお手伝いから入ろうと思って
まず1週間それやってたらだんだん噂になってね
あいつ何もんやと
靴ひっくり返しに撮影所に着とるぞと
何やっていうところで
それをたまたま大女優が見てて
何してるのって言われて
いや着物をねぜひ見てもらって使ってもらおうと思って
あれしてたんですよって言ったんですよ
そしたら私が見るって言ってくださって
監督もじゃあ僕も一緒に見るよって言って見たら
もう正座し直してねその女優さんが
これを私に着せてくれるのっていうのがきっかけで
ぜひって言われて
その人は有名なご服屋さん
全国に展開されてる有名なご服屋さんが
スポンサーでついてるんだから
だから普通は使えないんだけど
京都で撮影する分だけはいいよね
ってマネージャーに確認を取って
着せてもらった
使ってもらったのがきっかけで
それを使ってもらった人がもうしゃべりで
バンバンバンバンしゃべるんですね
女優さんつながりで
撮影所つながりで
それでうちにもやってくれないかっていう話があって
1個が4個 4個がそれこそ大げさですけど100個
もう本当にもうこれでもかっていうぐらい
依頼が来たっていうのが
その芸能界でつながったきっかけですかね
それから朝ドラマをやるようになった
昼おびもやるようになった
夜の連続ドラマ映画もやるようになって
気がつけば8割は日本の芸能界は
私がやってたような
知らん間にそんな風になってたっていうのが現状ですね
あとはそれをきっかけに雑誌
婦人画法家庭画法とか
そういうところも表紙やってくださいとかね
そういう風に言われるようになってきたっていう感じですかね
出来上がったものを女優さんに着せるという
いわゆるスタイリストとしての役割
おびも探してきたものを
女優さんに占めるというのが
僕の仕事としてやってたんですけども
台本読んでもね
女優さんが気に入るものがないというより
その役柄そのシーンに合うものがないんですよ
探しても
探しても探してもないんですよ
何でか分かると思います
それはね
売るために作られた着物しかなかったから
だからそうではなく
僕は着る人のために
着物っていうのがあらなきゃいけない
台本を読んで
本当に探してもないと
だったら邪魔くさい作っちゃえっていうのが
デザインの始まりなんですよ
ここに柄があったらいいなと
ここに
このような色目のものがあったら
もっと女優さんが素敵になるなと
このシーンがすごい踊り出てくるんじゃないかな
っていうことを考えて作ったんですね
例えばお茶碗を持った時
ここに柄があった方がいいんですね
でも着物の柄って
ここって勝手に決まってるんです
出来上がった時に
吊るしてこんなとこに柄があったら
綺麗に見えないんですよ
だから
柄がこっちに来てる
おかしいやろっていう
そういう風な感覚で
だったら自分で作っちゃえっていうので
本当にふざけた絵を形にして作って
でもまだ職人さんが
こんなとこに柄を置くのかと
見たことないって言われるんですよ
だったら作りましょうよ
出来上がった時に柄戻してはるんですよ
なんで柄戻したん
こっちって言うたやんって言うたら
いやこっちの方が売れるか思ってって言われて
僕はその職人さんとは付き合いをやめました
だから
売るために作ってるんじゃないんやと
着る人が素敵になるためやと
例えば女優さんのサイズでも
141センチから
僕が仕事した中で
174センチまであるんですね
それぞれその人の
着られた時の位置を考えて
いかに素敵になるかってことを考えて
作ってるんだからっていうのを
もう女優さんに出来上がったものを見せる前に
職人さんと大喧嘩ですね
とりあえずやってくれと
もうそんなんしても売れへんぞって
いや結構です
とりあえずそれを理解するような
職人さんだけを集めて
やってきたっていうのが
一番の苦労でしたね
着物には約20の工程があるんですね
1個ずつ物を作る職人さんがいるんです
20の工程の中に
いかに言うことを聞いてもらえる職人を作るかって
それだけ1件ずつ回ったって
最低20日間はかかるって
ずっと付き合えないから
こういう風にしてくださいっていうことを
できるパートナー職人さんに
お願いするのが一番かなっていうのは
思いますけども
やっぱり癖があるんですね
赤を出すのが得意な人
黄色を出すのが得意な人
それを見極めながらやらなきゃいけない
でもそういうところも目を光らして
作り上げるっていうのはすごい大事です
そのコンパスの中に変えちゃうから
綺麗なものができないんですね
歌舞伎の衣装ってそうなんです
背中中心に柄があるんですね
それが初めて一つの作品になるんですよ
それはなぜかっていうと
深刻率で僕学んだんですけど
森光子さんがね
2列目3列目10列目20列目
右から見た時左から見た時
上から見た時でも
私を世界一番素敵な女優にしてって言われて
そうだなってそういうことなんだよな
着物っていうのは全部上から
真正面から見てるような柄しかないんですね
それを変えてみようっていうのが
僕のデザイナーです
的なものですね
森光子さんが多解された時に
テレビ局が着物森光子って検索すると
富田信明が一番にヒットして
一番に取材に来られたんですね
その時に
なんて言ったらいいんですかね
僕をお断りしようと思ったんですね
森光子さんのね
楽しいこんな思い出を
話しするのは
やめといた方がいいと
亡くなられたことで
そういうふうに言うのは
嫌だなと思ったんだけど
それこそ森光子さんが夢に出てきて
あなた出なさいチャンスだから
必ずそういうことをやったというものをね
残しなさいって言われたんで
全部テレビ局や新聞社の取材全部受けてね
すごい大きく取り上げてもらったんですけど
その時に母親はどう言ってるかって
今の思いを重ねると
きっともっと頑張りなさいと
結局
もうそれでもう
もうこんだけ頑張ったからいいでしょって言ったら
もう終わりなんですね
僕の着物っていう
富田イコールイコール
イコールイコールイコール
着物っていうのは
止まってしまうんですよ
っていうことはもう僕ももう
終わりなんだって
そういうふうに思うので
続ける限り
まだまだ頑張らなきゃいけないって
そういうふうに言われてるんだろうなっていうのは思っていますね
そういうふうに思っていきたい
ちょっと上に何の視かない人だし

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