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Lesson Transcript

将棋電王戦は、日本のIT関連企業が主催する将棋ソフトとプロ棋士との非公式の対戦である。
2012年に始まった電王戦だが、多くの対局でプロ棋士が破れてきた。
2016年の対局でも、将棋ソフトの「ポナンザ」と、山崎隆之叡王(八段)とが対局し、「ポナンザ」が勝利している。
その雪辱を注ぐべく開かれた2017年は、「ポナンザ」と佐藤天彦名人とが対局。
将棋ソフトと、タイトル保持者との対戦は初めてである。
佐藤名人は昨年5月に、天才の誉れ高い羽生善治三冠を破って、初タイトルとなる名人を獲得したプロ棋士だ。
しかしながら、一方のポナンザも、これまでの電王戦においては一度も負けていないという強者(つわもの)である。
将棋ファンのみならず、IT業界など多くの注目を集めた戦いは、2番勝負で行われた。
第一局は日光東照宮で、第二局は姫路城で、いずれも激戦が展開されたが、佐藤名人の連敗に終わった。
実は佐藤名人は、事前にポナンザを借り受けて研究を重ねていた。
しかし、150局以上対戦したがほとんど勝てなかったという。
対局後、佐藤名人は「今の棋士のレベルを超えている」とコメントした。
チェス、囲碁、将棋は、シンプルなルールでありながら、複雑で高度な思考が求められるゲームである。
その難しさと面白さは、相手の「心理」を読むところにあるといえるだろう。
「心」を持つがゆえに、「心」に惑わされるゲームなのだ。
したがって「心」を持たない「機械」には、とうてい無理だと考えられてきた。
しかしAIは、人間の「心理」を、過去に得られたビッグデータの解析によって予測するという手段で凌駕しようとしている。
その進化に、恐れと期待が入り混じる昨今である。

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