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Lesson Transcript

日本人は、古来、アニミズムに基づく文化を築いてきた。
動植物はもちろんのこと、石や道具などあらゆるものには「霊魂」が宿り、「霊魂」が宿ったものは、すべて人と同じように動き、話し、喜怒哀楽の感情をもつと考えたのである。
現在でも、こうした考え方に基づく生活習慣や年中行事は多いが、伝統的な文化の継承だけではなく、新しい文化も日々、生まれている。
その顕著な例が「ゆるキャラ」であろう。
「ゆるキャラ」とは、「ゆるいマスコットキャラクター」の略称である。
この名称は漫画家エッセイストであるみうらじゅん氏が考案したとされ、2008年以降、急速に広まった。
企業や自治体などのPRのために開発されたマスコットなどは昔からあったが、2010年に「ゆるキャラグランプリ」が開催されるに至ると、この開発は一気に加速した。
特に彦根城の「ひこにゃん」、熊本県の「くまモン」による経済効果が莫大なものに上ることが明らかになると、全国の自治体は、その規模に関わらず、こぞって個性的なキャラクターの開発を競うようになった。
「まちおこしのために頑張っているキャラクター」であることが、グランプリへのエントリー条件であるが、2016年のグランプリには、1400件を超える「ゆるキャラ」がエントリーしている。
総務省の統計によれば、現在の日本の自治体(市町村)の総数は、1700ほどであるから、ほぼ、すべての自治体に1体ずつ「ゆるキャラ」がいることとなる。
グランプリに輝いた「ゆるキャラ」によってもたらされる経済効果は大きい。
したがって、文字通り官民挙げて選挙活動を行い、投票を呼びかけるほどの過熱ぶりとなっている。
つまり、「ゆるキャラ」は、単なるマスコットではなく、今や、地域の期待を一身に背負っている存在なのだ。
その愛らしい外見の裏で、生き残りをかけた、「全くゆるくない」熾烈な争いが繰り広げられているのである。

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