Dialogue

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Lesson Transcript

赤とんぼ
平安時代の随筆『枕草子』にも「秋は夕暮れが素晴らしい」と評されているように、日本人が「秋」から連想するのは夕方です。
夏から冬へと移り変わる間にある秋と、昼から夜へと移行する時間帯の夕暮れ時には共通する「そこはかとない淋しさ」があるように感じます。
さて、夕焼け空に赤とんぼが飛び交っている…子どもの頃、そんな風景を見たことがある人は多いのではないでしょうか。『赤とんぼ』の作詞者・三木露風(みきろふう)は秋、竿の先にとまっていた赤とんぼから、故郷を、そして幼少期の経験や目にした光景などを思い出して詩にしました。
露風がわずか5歳のとき、両親が離婚。祖父に引き取られ、身の周りの世話をしてくれたり遊んでくれたりしたのは、歌詞に出てくる「ねえや」でした。これは「住み込みのベビーシッター」で、世話をされる子どもより少し年上の少女を指します。実の姉でなくとも、淋しい少年時代を過ごした露風にとっては実の姉以上に、慕わしい存在だったのではないでしょうか。
1921年(大正10年)に発表されたこの詩、6年後に曲をつけたのが山田耕筰(やまだこうさく)です。
美しくも物悲しいメロディーはしみじみとした郷愁をかきたて、聞く人みんなを懐かしい気持ちにさせます。古今東西、子どもの頃に見た風景は、大人になってからもずっとその人の心の中に生き続けるものですね。
発表されて以来、多くの日本人に口ずさまれてきた『赤とんぼ』は、2007年(平成19年)に「日本の歌百選」の一曲になりました。

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