Lesson Transcript

江戸川 エリ: はあ……。困りましたね。ここはどこでしょうか?
江戸川 エリ: スマホの地図が……あれ?また止まりました。電波が悪いのかな。ええと、画面では、ここは郵便局ですよね。
江戸川 エリ: でも、目の前にあるのは……銀行ですよね。大きな銀行です。全然違いますね。うーん、どうしてでしょうか。
江戸川 エリ: 時間がありません。今日は大切な「文化の日」なんです。遅れたくありません。劇が始まってしまいますよ。
江戸川 エリ: 右に行きますか?それとも左ですか?ああ、もう、わかりません!誰か……。
大原 ユウヤ: ふう、ふう……。よいしょ。あれ?
大原 ユウヤ: すみません、大丈夫ですか?道に迷いましたか?
江戸川 エリ: えっ?あ、はい。実は、スマホの地図が……。
江戸川 エリ: あら?あなたは……もしかして、大原さんですか?
大原 ユウヤ: あ、江戸川さん!こんにちは。偶然ですね。こんなところで会うなんて。
江戸川 エリ: 知ってる人でよかったです。こんにちは、大原さん。
江戸川 エリ: すみません、すぐにわかりませんでした。いつもと服が違いますから。今日は警察の制服じゃありませんね。
大原 ユウヤ: あはは、そうですね。今日は休みですから。トレーニングウェアです。
江戸川 エリ: ここまで走って来たんですか?すごいですね。
大原 ユウヤ: はい。僕は警察学校の教官ですからね。体力が大切です。仕事のために、休みの日も走っています。
江戸川 エリ: 真面目ですねえ。私は今日、仕事を忘れたくて外に出ました。
大原 ユウヤ: 仕事を忘れる?江戸川さんは弁護士でしたよね。毎日忙しいですか?
江戸川 エリ: ええ、とても。毎日、契約書や裁判のことばかり考えています。頭が痛くなりますよ。だから今日は「文化の日」にしようと思いました。
大原 ユウヤ: 「文化の日」ですか。いいですね。何をするんですか?
江戸川 エリ: 実は、これから小さい劇場に行くんです。お芝居を見ます。私、演劇が大好きなんです。
大原 ユウヤ: へえ!演劇ですか。意外ですね。江戸川さんはいつも静かで、真面目なイメージがありましたから。
江戸川 エリ: ふふ、そうですか?演劇はいいですよ。**演技をしていると、他の誰かになれますから。裁判の日程や契約書のことを忘れられるんです。**
大原 ユウヤ: なるほど。他の誰かになる、ですか。面白いストレス解消法ですね。
江戸川 エリ: 大原さんはどうですか?趣味はありますか?
大原 ユウヤ: 僕はキャンプですね。山に行って、静かな時間を過ごします。誰もいない場所で、火を見るのが好きなんです。
江戸川 エリ: 素敵ですね。静かな時間、私も欲しいです。
江戸川 エリ: あ、でも今は静かな時間じゃなくて、劇場の場所を知りたいです!この地図、本当に動きません。
大原 ユウヤ: どこに行きたいんですか?
江戸川 エリ: 「古都(こと)劇場」という場所です。古いビルの地下にあるらしいんですが……。
大原 ユウヤ: ああ、「古都劇場」ですね。知っていますよ。そこは地図に出にくいんです。
江戸川 エリ: えっ?どうしてですか?
大原 ユウヤ: この辺りは高いビルが多いでしょう?それに道も狭いです。だからGPSの電波が届きにくいんですよ。
江戸川 エリ: そうなんですか……。だから私のスマホは迷子になっているんですね。
大原 ユウヤ: それに、その劇場は「隠れ家」みたいな場所ですからね。入り口がとても小さいんです。普通の人は通り過ぎてしまいますよ。
大原 ユウヤ: 実は、その場所は「知る人ぞ知る名店」なんです。見つけるのは難しいです。
江戸川 エリ: ええっ!じゃあ、私はたどり着けませんか?もうすぐ開演時間なのに!
大原 ユウヤ: 大丈夫ですよ。僕が案内します。この街のことはよく知っていますから。
江戸川 エリ: 本当ですか?助かります!ありがとうございます、大原さん。
大原 ユウヤ: こっちです。大通りは人が多いですから、裏道を行きましょう。地元の人の秘密のルートです。
江戸川 エリ: ええと……大原さん?ここは細い路地ですね。少し暗いですけど、大丈夫ですか?
大原 ユウヤ: 心配しないでください。花屋の横を通るだけです。僕は警察官として、この街の道を全部覚える訓練をしましたから。
江戸川 エリ: さすがですね。頼もしいです。
江戸川 エリ: わあ……。こんな静かな場所があったんですね。大通りのすぐ裏なのに。
大原 ユウヤ: いい場所でしょう?ここは僕のお気に入りのコースなんです。
江戸川 エリ: 大原さんは、トリプル・アーモンド・マンションに住んでどれくらいですか?
大原 ユウヤ: もう2年になりますね。江戸川さんは?
江戸川 エリ: 私は1年ちょっとです。あそこのマンション、便利ですよね。
大原 ユウヤ: でも、江戸川さんは朝が早いですよね。僕が朝ランニングに行くとき、よくエントランスですれ違います。いつもコーヒーを持っていますね。
江戸川 エリ: あら、見られていましたか。恥ずかしいです。**私、コーヒーがないと動けないんです。**朝はカフェインがガソリンですから。
大原 ユウヤ: 弁護士の燃料はコーヒーですね。わかります。
江戸川 エリ: そういえば、上の階に住んでいるミュージシャンの人、知っていますか?
大原 ユウヤ: ああ!夜中にギターを弾く人ですね?
江戸川 エリ: そうです!昨日の夜も「ジャンジャン!」って聞こえましたよ。「もう少し静かに弾いて!」って思いました。
大原 ユウヤ: 壁が少し薄いですからね、トリプル・アーモンドは。でも、悪い人じゃなさそうです。
江戸川 エリ: そうですね。会うと挨拶してくれますし。ふふ、ご近所さんの話ができるなんて、楽しいですね。
大原 ユウヤ: さあ、ここを抜けますよ。公園を通って、あの噴水を右に曲がります。
江戸川 エリ: 噴水を右、ですね。
大原 ユウヤ: その先に、古い赤レンガの建物があります。その建物の裏側に回ってください。それが一番早いです。
江戸川 エリ: ありがとうございます。自分だけでは絶対に見つけられませんでした。この街は迷路みたいです。
大原 ユウヤ: 迷路、ですか。そうですね。
大原 ユウヤ: **街も、法律も、どちらも迷路ですよね。僕たちはそのプロのガイドです。**
江戸川 エリ: まあ。素敵な言葉ですね。
大原 ユウヤ: 江戸川さんは法律の迷路でお客さんを助けて、僕はトレーニングの迷路で生徒を助けます。似ていますね。
江戸川 エリ: 本当ですね。私たち、似ているかもしれません。
大原 ユウヤ: もしストレスが溜まったら、いつでも言ってください。僕のキャンプ道具、貸しますから。山に行けば、もっとリラックスできますよ。
江戸川 エリ: 本当ですか?じゃあ、今度使い方を教えてください。虫がいない場所がいいですけど。
大原 ユウヤ: わかりました。虫が少ない季節を選びましょう。……あ、着きましたよ。ここです。
江戸川 エリ: え?ここですか?
江戸川 エリ: ゴミ置き場の横に……小さな緑の屋根がありますね。ここが入り口?
大原 ユウヤ: はい。「古都劇場」の裏口ですが、今日のお客さんはここから入るはずです。
江戸川 エリ: 信じられません!こんなところにあるなんて。本当に「隠れ家」ですね。
大原 ユウヤ: 無事に着いてよかったです。楽しんでくださいね。
江戸川 エリ: 大原さん、本当にありがとうございました。おかげで間に合いました。
江戸川 エリ: あの、今度、マンションでちゃんとお礼をさせてください。美味しいコーヒーを淹れますから。
大原 ユウヤ: お、それは嬉しいですね。楽しみにしています。
大原 ユウヤ: じゃあ、僕はランニングに戻ります。天気が変わる前に帰らないと。
江戸川 エリ: はい、気をつけて!行ってらっしゃい!
大原 ユウヤ: 行ってきます!
江戸川 エリ: ふふ。いい休日になりそうですね。さて、お芝居を楽しみましょう。

Comments

Hide