Lesson Transcript

メイン食材です
3箇所に分けて出すというプレゼンテーションもできるし
好きな人も多いですし
お店の場合はもっとロングなコースになるので
後半戦のスタートみたいな時に
アスパラを上げるようにしています
全部の食材に通じるものが
鮮度が良いというのはやっぱり張りがあるので
あとツヤツヤしてて美しいもの
あと筋っぽくないものです
アスパラというのは
細いのに対して筋の本数が決まっているので
太いとその表面積に対して
筋の間隔が広くなるので
筋を感じにくくなるという
だからなるべく太いの
あとは穂先がやっぱり広がってないのがいいと思います
バランスが良くなくなるので
そこ注意してほしいのと
あと下の方の切ったところ
底がもう乾いているのは
収穫してからかなり日数が経ってくるので
なるべく底がみずみずしいもの
そこを注意して買ってもらうといいと思います
なるべく上げる直前に切った方がいいと思います
やっぱり水分が奪われてしまうので
ここの下の方はやっぱり固いので使わないです
その目安として手でパーンと折ってしまって
自然に折れるところが天ぷらに向く柔らかさの部分だと思います
この下の方は他の調理法にして
いろんな例えばスープにしたり使ってもらったらいいかなと思います
一本一本ちょっと若干違ってきます
こういう
ある程度揃えてしまいますね
こういう感じで
そして僕の場合は3箇所の美味しさを表現したいので
下の方は下の方
ここが固いのでこれだけじっくり別に上げることになります
アスパラはこういう風にグリーンアスパラの場合は
ホワイトアスパラの場合はここが皮が固いので
こういう感じで一番下の部分は皮を全部剥いてしまいます
グリーンアスパラは日光に浴びてこういう緑の色になりますが
ホワイトアスパラというのは土に埋めて日光を遮断して育つので
やっぱり白く日焼けしてないという状態ですね
ですからもともとはグリーンアスパラしか天ぷらにしてなかったと思うんですけど
最近ではホワイトアスパラの品質も上がってきているので
ホワイトアスパラも
でも揚げ方は全く異なります
揚げる時間も
油もなるべくフレッシュな状態
出来立ての衣で火を入れると素材感が出ると思うので
そこを注意してください
上の部分と下の部分と切り離して考えてあげるんですけど
上の部分はもうサッとでいいんです
天ぷらってこまめに表裏ひっくり返せっていう風に教わってきたんですけど
僕の場合は360度に無数のこういう網タイツ状に穴が開いてるんで
ひっくり返すことはあんまり必要ないですね
サヌキの目覚めっていう特選という最上級ブランドは
初競りで1本ね
1箱か1万5千ぐらいするやつがあるんです
それを偶然手に入れて使わせてもらった時に
ちょっと普通のアスパラにも長いので
より素材ごとのこのピンポイントで
穂先は穂先の美味しさ
中間のところの美味しさっていうのを
下の美味しさっていうのが
ひらめいたんですね
そっからです
普通のアスパラが手に入った時も
3箇所に分けてあげて
部位ごとの食材の違いがあるっていう
ものだからこそ生まれたやり方じゃないかなと思います
一番下のところは
少し焦げるんじゃないかぐらいまで
じっくりあげてみてください
頭の部分に火が入ったかなと思ったら
あげてもらって
3分の2のサイズだったので
もう半分にして
穂先の部分を最初にすぐ食べてもらうって感じにしてください
真ん中の部分は
余熱で火が入っていくっていう感じで
時間差で出してあげてください
上の穂先の感じよりもっと水分が増えた感じになったり
いろんな表情が出てきて
同じタイミングであげたんですけど
余熱によってこんだけ違いが出ますよっていう
面白さもあるし
出し方というより
そこの説明とかをきちっとしてあげるってことが
やっぱりお客さんの頭のイメージと
こちらの技術が繋がりやすくなるので
黙って出すより一言説明してあげたほうがいいと思います
お客さんに言われて
すごく自分も腑に落ちたというか
嬉しかったことなんですけど
素材が持っている以上に
素材の味がするっていう
ここに尽きると思います
だから素材が
もともと甘さを感じる
生でも甘さを感じるものであったら
より甘みがしたり
持っている香りが
あげることによってより際立つ
天ぷらっていうのは水分を脱水して
味を濃くしていくっていう調理法だったんですけども
それが水分をあげたほうが水分が活性化する
増えたように感じる
ジューシーになる
衣っていうのは生地みたいなところを
表現する言葉なんですけど
そういう意味で
衣服っていうように日本語では
言うように
だからそこから多分
天ぷらの衣っていう言葉が出てきたと思うんですけども
僕はそこをもっと推し進めて考えていって
食材のそれぞれを生かすための服
っていう感覚で衣を作っていたり調節しています
自分が似合う服を着るように
食材にとっても持ち味が生きるような服を
着せてあげる
それによってその素材が素肌でいる裸でいるよりも
持ち味が出せるっていう
そこを僕は大事だと思います
衣と食材が寄り添っているっていうことです
僕の場合はやっぱりその衣に穴がいっぱい開いているので
その色が透けて見える色であったり
それは僕は生きている衣っていう風に思っているんですけど
立体的な佇まいっていうか
自分の中ではすごい自分らしい天ぷらと思って
綺麗だなと思って
自己満足になってますから
そういうところです

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