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Lesson Transcript

日本国憲法において、天皇は、日本国および日本国民統合の「象徴」と位置づけられており、国政にも関わらない存在である。
皇位は世襲であり、その継承は「皇室典範」に基づくことが定められている。
皇位は、およそ1500年にわたって唯一、天皇家が継承してきた。
天皇家は、「神」の子孫と信じられ、国民の信仰の対象ですらある。
ゆえに、大陸に勃興した王朝などのように、「倒す」という対象には決してなりえなかった。
その結果、世界にも類を見ない特殊な皇位継承が繰り返されてきたのである。
しかし戦後、新憲法の発布とともに、統治権を有する「国家元首」から、「象徴」という立場へと歴史的大転換が図られることとなる。
すなわち、先代の昭和天皇とは異なり、現在の天皇は、即位したときから「象徴天皇」であった。
歴史上初めてとなる立場を、自ら模索しながら歩んでこられたのである。
今年8月、天皇は国民に向けて「生前退位」の意向を発表された。
「平成の玉音放送」とも呼ばれたこの「おことば」は、多くの国民に感銘を与え、いかに「象徴天皇」としての責務と「日本国憲法」を大切にされているかを、改めて知らしめることとなった。
国民は、「生前退位」について概ね賛成であるようだが、ことはそう簡単には運ばない。
なぜなら、皇位継承について定めた「皇室典範」には、「退位」が規定されていないからである。
天皇自らが発した「おことば」も含め、法改正などを促すことは、天皇が国政に関与するという解釈も成り立つ。
とはいえ、国民が天皇に対して同情を寄せているなかで、現内閣はこれを無視することもできない。
ようやく有識者会議が立ち上がったものの、これを「皇室典範の改正」で恒久的に行うか、「特別措置法」で一時的に行うか、議論は分かれている。
法的な矛盾点も含め、超えなければならない課題は多い。
(2016年10月末日現在)

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